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興味半分の極み管理人―ヒジリの行き当たりばったりな日々の一端を載せております。
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 どうも、自分で自分の首を絞めるマネはやめられないらしい。
 いや、まぁ……ちょっとぐらいと思ってることも、逆効果になるまで続けてることが多いし。やり過ぎ……とか。

 耳に残る音楽を聴いてると作業に没頭できなくなることを分かっていても、ついついやってしまうんでさぁ(笑)。

 それに限った話ではなく、わざわざ高みに行くチャンスを逃したり、どうしようもない自堕落に踏み入っちまったりとかはまだ良くやってます。うーん……。

 分不相応だからと言って引っ込んだり、分相応だからと言って甘んじてるだけじゃダメな時もあるんだなぁ……と、漠然と思った昨日一日の修羅場でしたさ。




 さて、お待たせしました(?)
 続きにはお楽しみのバクサン短編続き~。

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4 10cmの『バクサン』がトイレに行きたがっています。どうする?


 机は壊れ、壁や家具も焦げ跡や煤がついて、床には割れた皿や食器が散乱している。食事中に起こった一騒動によって、丁寧に扱われていたはずの家の中はもはや滅茶苦茶になっていた。
 うっかり極上の火鍋を食してしまったムーが落ち着いたのを見計らい、レフィルとホレスはすぐに掃除に取りかかりはじめる。幼い頃から家庭の暮らしの支えに馴染んできたレフィルと孤高の旅人ならではの要領と機転をもつホレスの手際の良さが生き、物の数分でこの乱雑な状態をいつもの綺麗な状態に戻すに至った。

「じゃあ、次は……」

 町で過ごしてまだ一月も経っていないが、既に慣れ親しむだけの日々を暮らしてきた。
 この家を間借りしている過客に過ぎないからこそ尚更大切に扱い、溜まった埃やゴミを掃出すことも日課の一つとして馴染み、時にはもっと踏み込んだ手入れなどをすることもあった。
 幸い今しがた終えた掃除の手間は大したことはなく、余った時間で他の箇所に取りかかろうとした矢先のことだった。

「ムムゥッ!!厠を掃除しろと申すかァッ!!」

 唐突に、足元の小さな巨漢がレフィル達の足元から怒鳴り立てるようにそう問いかけていた。
「え、ええっ!?」
「おい、まだ何も言っていないぞ……」
 こちらから頼んだわけでもなければ、当人の思いつきか。
「準備万端……」
 ただ、空いた手には柄のついたたわしが握られていて、その肩には身の丈を超えるだけの大きさの瓶が二つ程抱えられいる。
 相変わらず忌々しげに呟くムーの言葉が示す通り、既に取り掛かる気は十分な様子だった。
「どれェ、久々にワシも一肌脱ぐとするかのォッ!!ウワーハッハッハッハーッ!!」
 肩を鳴らし、全身の筋肉を脈動させつつ、バクサンは意気揚々とトイレの掃除へと赴いていた。
「あれは……洗剤?」
「ああ……。そのはずだが……」
 レフィルはバクサンが携えていた二つの瓶に目が向いてホレスに尋ねていた。
 その洗剤は、意欲ある研究者や錬金術師の手によって作られた薬品、水に交えればその流れと共に汚れが拭い去られる他に類を見ぬ程の洗浄力を持った画期的な産物であり、レフィル達もその威力を幾度か目の当たりにしてきた。
 それを除いては何の変哲もない液体に過ぎないはずだった。

「どおりゃあああああああっ!!!」

 不意に、小人の掛け声がトイレの方から聞こえてくる。
 彼の担いだ二つの瓶が開け放たれ、その中から二種類の洗剤が勢いよく流れ出した。

「さァ、とくと見よ!!このバクサン=ドンチュ一世一代の大掃除をォッ!!ウワーハッハッハッハーッ!!」

 瓶から出た洗剤は程なくして泡立ち、無数の泡となって空中を漂い始めている。それを満足そうに眺めつつ、バクサンは両腕を掲げながら、高らかにそう言い放っていた。
「……おい待て、まさか……」
 何故だか言いようもない不安がホレスの脳裏を過る。
 それが的中したのは、バクサンの目の前に浮かぶ二つの泡がぶつかりあったその時だった。

「どっせぇええええええい!!!」

 泡が弾けて消えた瞬間、不意にバクサンの豪快な叫び声と共に爆音がこだました。
「ええっ!?」
 バクサンを吹き飛ばした小さな爆発を引き金として、周りの泡も次々と弾け飛び、更なる爆発がトイレの中全体に巻き起こされる。
「冗談じゃない!!あの野郎、何しやがった!!?」
「混ぜるな危険……??」
 爆発によって次々と壊れていく壁や床、洗面台などの破片が飛び散る中で、ホレスが再び苛立ちに襲われる中、ムーは床に転がり落ちた二つの瓶を眺めつつ小さく何か呟いていた。
「……違う。やっぱり妖怪……」
 興味本位でおもむろに二つの瓶の中身を混ぜ合わせても、特に何も起こる気配はない。
 何の変哲もない洗剤でさえも、己の花火に変えてしまうバクサンの存在そのものを悪夢と感じずにはいられなかった。


「マゼマゼ……」
「オイマテ、ヤメ……」

 部屋の片隅で一部始終を眺めていた小さな竜の一匹が、零れ落ちた洗剤をすくい上げて別の液溜まりへと落として混ぜ合わせている。それを見て驚愕したように、相棒の竜が慌てて止めに入ろうと駆け寄った……



「ウギャ!!」

 が、足元の洗剤に足を滑らせて派手に転び、頭を思い切り打ちつけてしまった。
「オーイ、シッカリシロー……」
 当たり所が悪かったのか、そのまま目を回してしまった相棒を見て、小さな竜は彼を介抱しているつもりなのか、その頬を手でぺちぺちと叩いていた。




 掃除をしたいからトイレに行きたいという変ながらも何だかかみ合わない話題になりました。

 混ぜるな危険な目に遭ったことがないし化学にも疎いので、もう少し勉強しとけばよかったかな……。

 
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